毎年, 授業アンケートなどで, 例題の解説を増やしてほしいと言われてきました. 樋口としては, これには単純に賛成できません. 最初はお手本のやり方を追ってみることも大事だけど, 最終的には, 理論(ルール)を言われたら, それを自分で解析して, 初めて見る問題でも適用できる, というレベルに行ってほしいんですね. コンビニの店員さんの仕事を学ぶときに, 先輩の店員さんの真似をするだけのレベルじゃなくって, 会社の経営理念や手順書を自分で読んで理解して, 初めてのケースに出会っても正しく処理できるレベルになってほしい, できれば現場の状況をわかった上で手順書を書く側になってほしいって感じ?
しかし, 解きたい問題を明示したほうが具体的で焦点が絞れるということもあるかな, と思ったので, 今年は, 理論を短く説明した後, 問題drivenで, 例題の中でさらに細かい説明や補足的説明をしていく, そしてすぐ自分でもやってみてもらうという方法に変えました. そして2コマに講義と演習の区別をなくして, TA半数ずつの参加でやるように変更しました.
説明と演習を短いサイクルにしたのは, 1コマ分説明した後1コマ分演習だと, 説明のどの 部分をテーマにした問題なのかわかってもらうのに無駄に時間がかかってしまうように感じたから. まず説明の個々の部分の理解を確かめる問題を短いサイクルでやって, あとで, 全体像の理解を助ける広範囲な問題もやるという方針でした. これでスピード1.5倍くらい出るんじゃないかと思ったけどそうはなりませんでした.
また, 去年は説明を聞きながら板書をうつすのってけっこう意味あることかと思ってたけど, 今年は, (自分で問題をノートにやったり, その気分で教員の答案をコピーしたりには意味があるけど,) 板書を写すだけってのは, 低レベルコピーになりがちでむしろ理解の妨げかなという気がしてきて, 説明部分の要点を印刷して配布するようにしました. (もっと昔は全部印刷して渡してたんで, データはあるんですけどね)
また, 説明の時間が細切れになることにより, 全体像がつかめないというストレスを感じる人がいるかと思ったけど, それはあまりなかったようですね.
理工学部専攻科目の中央値と比べると, ほぼ同じ. 教員の個人的印象からは, これは去年より悪い気がするが, 昨年度は演習付科目には全学授業アンケートはなかったので, 去年もやっていたらこの程度だったのかもしれないですね〜
樋口の担当科目としては, Q7難易度の数値が大きい(中央値程度)なので, Q8十分理解の数値を下げないままで, もう少し難しい(=より多くの深い内容を含む)方向に変えられるとよいと思ってます.
後半には, 例題のあと問題をやろ〜といっても, やってくれない人がちょっと増えた印象で悲しかったです. ファイナルトライアル直前の演習の回もあまり有効に機能していたなかった気がします. やり方の問題か, エネルギー保存の説明をもっと改善すべきなのか, どっちでしょう?
それから, 授業中に午後の線形代数・演習IIの準備をしてる人がそれなりの数いたけど, けっきょくそれって楽したことになってない場合が多いと思うよ〜
ファイナルトライアルで悲しかった誤りとしては, 運動方程式をたてるときに, 理由を考えずにパターンに頼ってやっているようなケースですね.